NAKAJIMA'S EYE(祇園祭と植物)
これから京都に暑い夏がやってくる。夏と云えば祇園祭、そして祇園祭といえば沢山の山鉾。
その中に木賊山(トクサヤマ)という山鉾がある。猫の画像
自宅の裏には木賊(トクサ)がよく生える。
昔はこの砥草を刈りとって売る商売があったようだ。
砥草は地下茎があって横に伸び、茎を直立させる。スギナも同じ科の仲間であり、その姿のおもしろさから、庭で栽培されることもあると、昔買った朝日新聞の植物百科に書かれていたのを思い出した。
この植物は硅(珪?)酸(ケイさん・硝子や水晶等にも含まれていたと思う、非常に硬い物質である)を含んでいて硬い。茎は煮て乾燥させたものを紙鑢(カミヤスリ)の代りに使われ、仕上用研磨材に用いられた。
高級な柘植櫛(ツゲぐし)の歯や漆器類の木地加工、木製品を磨き上げる作業工程に使用されていた。現在でも高級な物には使われている。

(柘植の櫛と漆器で思ったのだが、近頃の女性は髪を茶色やその他いろんな色に染めるが、「やっぱり日本女性は漆黒(シッコク)の長い髪に柘植の櫛を挿した姿がよく似合う」と私は思う、「そして内面の美しさを持つこと」)これが私の理想の人と勝手に思い込んでいるのだが………………。

「クラリネット等のリード楽器の竹製リードを磨いて調整するのにも砥草が用いられているとか。 干した茎は木賊(モクゾク)と呼ばれる生薬で、その煎液を飲用すると目の充血や涙目に効果があると謂れている」
「小話に、明治時代の郵便夫が、草鞋(ワラジ)があまりにすり減るのを嘆き、すり減らなさそうな材料としてトクサを使う話がある。その結果、足先からすり減って頭だけになった郵便夫は、頭を鞄に片づけて帰ったという落ちである」…………。とインターネットに書かれて居た。

その他、植物と関係がある山鉾には
<芦刈山>
謡曲「芦刈」から来ている。妻に去られ一人寂しく難波の浦で芦を刈る翁の姿を顕している。
<孟宗山>
孝子孟宗は病母が寒中に筍を所望するので神に祈願して雪の中で筍を掘り当てた」という、中国史話二十四考の伝説を顕している。
<菊水鉾>
昔、中国に菊児童という童がいて菊の露を飲んで長寿を保ったという謂れから出来た鉾。
<保昌山>
平井保昌(丹後守)が和泉式部のために御所の紅梅を危険をおかして手折ってくる姿を顕している。
<黒主山>
謡曲「志賀」にちなみ、大伴黒主が桜の花を仰ぎ眺めている姿を顕している。
それぞれにもっと深い謂れがあるのだと思う。

何十年か前、沢山の山鉾と人ごみの中をかき分けて、どうしてこんなに人が多いのだろうと思い乍ら、重たい新聞を配り、夜間高校へ通っていたことを思い出す。

表紙 BUG46号
夏野菜の収穫
ほていまつり
携帯ホームページについて 鯉の季節
NAKAJIMA'S EYE(祇園祭と植物)
初めてのパソコン ワークスの新メンバーになりました
メルマガ登録のお願い ビアガーデンのご案内
あしあと 夏休みのお知らせ 編集後記
BUGの部屋に戻る